なた豆の特殊ペプチドの構造を押さえたライブラリー

富士電機はSiC(炭化ケイ素)製のパワー半導体を搭載し高い変換効率を実現した太陽光発電用パワーコンディショナー(PCS)を8月に発売する。SiCモジュールを用いることで業界最高の98・8%の変換効率を可能にしたという。個別の見積もりに応じる。大容量の発電装置向けに提供し、2015年度に400台販売する。 PCSは日射量減少に伴う電圧の低下で変換効率が悪化するため、昇圧回路を用いる。ただ同回路は電力損失を起こす原因にもなっていた。同社は損失を抑えるSiCモジュールを同回路に組み込んだ。モジュールを構成するダイオードとトランジスタの二つにSiCを使うことで、シリコンとSiCを併用する従来機種に比べて変換効率を0・3ポイント高めた。 またSiCモジュールを使うことで回路の小型化を実現し、シリコンを使う機種に比べてサイズを2割減らした。出力容量は業界最大水準の1000キロワット。大容量化により施工費用などのコストを減らせる。今後はインバーターにもSiCを使い、さらに変換効率を高めて発電量の増加に貢献する方針。製薬大手5社が2014年度に計画する設備投資額は、武田薬品工業とアステラス製薬の2社が前年度実績を上回る見通しだ。減少する3社も大塚ホールディングス(HD)の決算期変更、第一三共の子会社売却といった特殊要因が目立っており、工場の設備更新需要は堅調に推移しそうだ。 武田薬品は14年度に前年度比70・8%増の約750億円を見込む。11―12年度の実績は各700億円前後で「例年の水準に戻った」(同社)。内訳の詳細は明らかでないが、各工場の設備更新を積み上げた金額であるもようだ。13年度は全社的なコスト削減計画「プロジェクト・サミット」の初年度だったため設備投資も抑えたとみられ、14年度の前年度比増加率が大きくなっている。 大塚HDは決算期変更で14年度は9カ月間の設備投資額となる。13年度はバイオベンチャーである米アステックスを買収したことなどで連結対象会社が増え、一時的に設備投資額が膨らんだ。14年度は国内や中国、インドネシアで機能性飲料「ポカリスエット」関連設備に投資する計画。 アステラス製薬は焼津技術センター(静岡県焼津市)などの製造設備を増強する。同所での詳細な生産品目は開示していないが、会社全体では抗体やたんぱく質といった分野への投資が多くなるとみられる。 第一三共は連結子会社であるインドのランバクシー・ラボラトリーズを14年末までに実質売却することが響く。11―12年度はランバクシーのほか、本社拠点集約やワクチン関連などで設備投資額が大きくなっていた。 エーザイは13年に米アリーナ・ファーマシューティカルズから、抗肥満薬「ベルヴィーク(米国製品名)」の米州以外での販売権を得た。IFRSでは開発品に関わる導入費用を資産として計上するため13年度の設備投資額が増加し、これが解消される14年度は減少に転じている。「工場の設備更新などに費やす額は14年度もほとんど変わらない」(エーザイ)。 何期にもわたる赤字が当たり前と言われる創薬ベンチャーだが、複数のパイプライン(新薬候補物質群)や安定した事業基盤、強固な知財ポートフォリオを作り、国内外の大手製薬会社と対等の契約ができる有力企業が出てきた。研究開発から事業化に至るまでに横たわる「死の谷」を越えていく創薬ベンチャーのトップに、ビジネスモデルや展望を聞く。第1回は2013年に上場し、株式時価総額が1000億円を超えることもあるペプチドリーム。 ―米ブリストル・マイヤーズスクイブやスイス・ノバルティスなど名だたる製薬企業と共同研究開発の契約を結んでいます。上場後の業績も最初から黒字基調。強さの理由は。 「まずは特殊ペプチドを創製する『フレキシザイム技術』というコア技術の素晴らしさ。そして、この技術単体で勝負するのではなく、同技術で作った特殊ペプチドのライブラリー(データベース)、創薬のためにライブラリーを効率的にスクリーニング(選別)する技術を加えた三つのセットで商材にしたことだ」 ―特に欧米大手は契約交渉もしたたかではありませんか。 「最初の開発パートナーは、10年に契約したブリストル・マイヤーズスクイブ。実は、彼らは子会社を通じてスクリーニングの技術は持っていた。我々がスクリーニング技術を持ってセットにしていなければ、創薬に欠かせない最後の手段を相手に押さえられるところだった。契約の在り方もずいぶん変わっていただろう」 ―特許群も強固なポートフォリオです。 「一つの技術で特許を取るのは弱い。フレキシザイム、ライブラリー、スクリーニングの三つの基本技術に加え、N末翻訳合成と環状ペプチドの特許を取得している。この特許群が当社の知財戦略のコア。対抗技術が確立されたとしても、これらの特許が網羅できなければシステムとして機能しない。さらに、特殊ペプチドの構造を押さえたライブラリーの特許をそろえた。作られた特殊ペプチド自体も、当社のライブラリー特許で網をかけられる」 ―新薬開発の潮流変化が見えてきませんか。 「低分子医薬に代わる新薬開発の主流は抗体医薬。だが欧米の製薬大手は、10年、20年先は抗体医薬では足りないことに気付いている。ポスト抗体医薬として、我々の技術をデファクトスタンダードにしたい」 【企業・技術紹介】フレキシザイムを学問的に解明、確立した菅裕明東京大学大学院教授(ペプチドリーム社外取締役)と窪田社長が出会って06年に起業した東京大学発ベンチャー。フレキシザイムは人工のRNA触媒で、多目的tRNAアシル化RNA触媒の略。天然に存在するアミノ酸とは異なる構造のアミノ酸を組み込んだ特殊なペプチドを作れる。標的に対する特異性が強く、細胞内の標的にも作用できる次世代創薬技術として注目されている。

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